建築 建築基準法(意匠)

防火設備の告示仕様について

2026-02-18

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、令和5年3月24日に防火設備に関する告示の大幅改正が行われました。

改正前においては、窓については、鉄製又は鋼製のサッシで網入りガラスとした窓以外ははめごろし戸のみが防火設備として認められていましたが、改正により、アルミ樹脂製・木製・樹脂製のサッシに関し、「すべり出し戸」についても告示仕様の防火設備として追加されました。

防火設備の告示仕様(平成12年建設省告示第1360号)について、表にまとめました。令和8年現在において最新版です
※最終的には最新版の法令集告示編を確認してください。

窓についての規定

規定内容鉄枠又は鋼製枠(六号)アルミ樹脂枠(七号)樹脂枠(八号)木枠(九号)
枠材の種類鉄材又は鋼材屋外側:アルミニウム合金材
屋内側:アルミニウム合金材又は無可塑ポリ塩化ビニル
無可塑ポリ塩化ビニル木材(気乾比重0.45以上)
開閉形式はめごろし窓(網入りガラス以外とした場合)・はめごろし窓

・縦すべり出し窓(枠、框の屋外側を厚さ0.8㎜以上のアルミニウム合金材(JISH4100)で、屋内側を樹脂で造るものに限る。)

・横すべり出し窓(枠、框の屋外側を厚さ0.8㎜以上のアルミニウム合金材(JISH4100)で、屋内側を樹脂で造るものに限る。)
・はめごろし窓
・縦すべり出し窓
・横すべり出し窓
・はめごろし窓(枠:見付寸法40㎜以上、見込寸法70㎜以上)

・縦すべり出し窓(枠:見付寸法40㎜以上、見込寸法101㎜以上 框:見付寸法40㎜以上、見込寸法70㎜以上)

・横すべり出し窓(枠:見付寸法40㎜以上、見込寸法101㎜以上 框:見付寸法40㎜以上、見込寸法70㎜以上)
ガラスの種類

耐熱強化:厚さ6.5㎜以上、エッジ強度250MPa以上
耐熱結晶化:厚さ5㎜以上
低放射(Low-E):厚さ5㎜以上、垂直放射率0.03-0.07
・網入り
・耐熱強化
・耐熱結晶化
・複層(耐熱強化、耐熱結晶化又は積層※及び低放射により構成されるもの)
※積層:総厚6.6㎜以上
(フロート板ガラス(厚さ2.6㎜以上)と中間層(厚さ1.4㎜以上で主たる構成物質が二酸化けい素、酸化ナトリウム及び水である層)で構成されるものに限る。)
・はめごろし窓:網入り、耐熱結晶化、複層(網入り又は耐熱結晶化及び低放射により構成)

・縦すべり出し窓:複層(網入り及び低放射により構成)

・横すべり出し窓:複層(耐熱結晶化及び低放射により構成)
・はめごろし窓:複層(網入り及び低放射により構成)

・縦すべり出し窓:複層(網入り及び低放射により構成)

・横すべり出し窓:複層(網入り、耐熱強化又は耐熱結晶化及び低放射により構成)
・はめごろし窓:複層(網入り及び低放射により構成)

・縦すべり出し窓又は横すべり出し窓:複層(網入り及び低放射により構成)
開口部の寸法・耐熱強化:幅700~1,200mm、高さ850~2,400㎜

・耐熱結晶化:幅1,000~1,200mm、高さ1,600~2,400mm

・積層:幅200~700㎜、高さ200~700㎜
・はめごろし窓
網入り:幅800㎜以下、高さ2,250mm以下
耐熱結晶化:幅780~920㎜、高さ1,100~1,890mm

・縦すべり出し窓
幅640㎜以下、高さ1,370mm以下

・横すべり出し窓
幅640㎜~780㎜、高さ370~970㎜
・はめごろし窓
幅800㎜以下、高さ1,400mm以下

・縦すべり出し窓
幅780㎜以下、高さ1,370mm以下

・横すべり出し窓
網入り:幅780㎜以下、高さ900㎜以下
耐熱強化、耐熱結晶化:幅400~780㎜、高さ544~900㎜
・はめごろし窓
幅1,050mm以下、高さ1,550mm以下

・縦すべり出し窓
幅800㎜以下、高さ1,350mm以下

・横すべり出し窓
幅800㎜以下、高さ1,200mm以下
ガラスの取付方法(火災時に脱落しないこと)①取付部材により枠に堅固に取り付けること取付部材の材質及び厚さ・鉄材又は鋼材
・厚さ3㎜以上
以下部材により枠及び框に堅固に取り付ける
・アルミニウム合金材又は鋼材
・厚さ1㎜以上
以下部材により枠及び框の内部の補強材に堅固に取り付ける
・鋼材
・厚さ1㎜以上
・樹脂製の通し材で覆うこと
以下によりガラスを枠及び框に取り付ける
・鋼材
・厚さ1㎜以上
・木材の通し材で覆うこと
②枠に取付部材を固定すること取付ピッチ・全周にわたって間隔250㎜以下で固定・鋼製の取付部材の場合にはアルミニウム合金製の縦枠(縦すべり出し窓又は横すべり出し窓にあっては、縦框)に対して間隔350㎜以下、1000㎜につき3箇所以上固定・全周にわたって間隔200㎜以下で固定・全周にわたって間隔150㎜以下で固定
ねじ材質・長さ・鋼製のねじ・ボルト・リベット等で固定・鋼製のねじ・ボルト・リベット等で固定・鋼製のねじ・ボルト・リベット等で固定・鋼製ねじ(埋込長さ32㎜以上)で固定
③取付部分におけるかかり代を設けることかかり代長さ・耐熱強化又は耐熱結晶化:7㎜以上

・複層:13㎜以上
・取付部材がアルミニウム合金製の場合

網入り又は耐熱結晶化:7㎜以上

複層:12㎜以上
・取付部材が鋼製の場合
2㎜以上
・はめごろし窓:11㎜以上

・縦すべり出し窓又は横すべり出し窓:7㎜以上
・はめごろし窓:13㎜以上

・縦すべり出し窓又は横すべり出し窓:9㎜以上
④その他ガラスの下に鋼材又はけい酸カルシウム板のセッティングブロックを設置
--次に掲げる窓の種類に応じて枠及び框の内部に補強材(鉄材又は鋼材で造られたものに限る。)を設置

◎はめごろし窓
・補強材の厚さ1.6㎜以上
・枠及び補強材を開口部に固定

◎縦すべり出し窓又は横すべり出し窓
・補強材の厚さ2.3㎜以上
・枠及び補強材(枠に設置するものに限る。)を開口部に固定
・框の各辺に補強材を設置し、かつ、当該補強材を相互に連結するよう、框の隅角部に補強材を設置
・ガラスが框に含まれる部分の長さを13㎜以上
-拘束金具・支持金具を鋼材で造り、枠及び框に堅固に取り付けること
取付部分の封着方法(火災時に隙間を生じないこと)①火災初期の封止材を設置すること封止材の材質及び種類難燃性を有するシリコーン製の
・グレイジングガスケット
・シーリング材
難燃性を有する塩化ビニル製又はシリコーン製(横すべり出し窓にあっては、シリコーン製に限る。)の
・グレイジングガスケット
・シーリング材(取付部材がアルミニウム合金材である場合に限る。)
難燃性を有する塩化ビニル製又はシリコーン製のグレイジングガスケット難燃性を有する塩化ビニル製又はシリコーン製のグレイジングガスケット
②火災終期の封止材を設置すること封止材の材質及び種類加熱膨張材(黒鉛含有エポキシ樹脂)
枠と框の間に隙間が生じないこと-枠及び框の全周にわたって加熱膨張材を設置

窓以外についての規定

号数内容
一令和元年国土交通省告示第193号第1第14項に規定する30分間防火設備
二通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、建築基準法第21条第2項、建築基準法第61条第1項、令第108条の3第1号又は令第109条の8の規定による国土交通大臣の認定を受けたもの
三鉄材又は鋼材で造られたもので、鉄板又は鋼板の厚さが0.8㎜以上のもの(網入りガラス(網入りガラスを用いた複層ガラスを含む。第六号において同じ。)を用いたものを含む。)
四鉄骨コンクリート又は鉄筋コンクリートで造られたもの
五土蔵造のもの
十骨組を防火塗料を塗布した木材で造り、かつ、屋内面に厚さが1.2㎝以上の木毛セメント板又は厚さが0.9㎝以上のせっこうボードを張り、屋外面に亜鉛鉄板を張ったもの
十一開口面積が0.5㎡以内の開口部に設ける戸で、防火塗料を塗布した木材及び網入りガラスで造られたもの

その他規定

その他規定
第2第1第三号、第六号又は第七号(枠及び框の屋内側の部分をアルミニウム合金材で造ったものに限る。)のいずれかに該当する防火設備は、周囲の部分(当該防火設備から屋内側に15㎝以内の間に設けられた建具がある場合には、当該建具を含む。)が不燃材料で造られた開口部に取り付けなければならない。
第3防火戸、縦すべり出し戸及び横すべり出し戸が枠又は他の防火設備と接する部分は、相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当たりを設ける等閉鎖した際に隙間が生じない構造とし、かつ、防火設備の取付金物は、当該防火設備が閉鎖した際に露出しないように取り付けなければならない。

また、内容や納まり等について、(一社)建築開口部協会から解説資料がでていますので、以下も参考となります。

「防火設備の構造方法を定める件(告示)」の参考資料について │ 防火戸関連技術情報 │ 防火・防災 │ 事業活動 │ 一般社団法人 建築開口部協会

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TAK

新卒で確認検査機関に入社し、意匠・構造の双方の確認審査業務を経験した元確認検査員。 建築基準法をはじめ、建築物に関するお役立ち情報を発信します。 【保有資格】 一級建築士/一級建築基準適合判定資格者/特定建築基準適合判定資格者(ルート2主事)/ 宅地建物取引士/住宅性能評価員/省エネ適合性判定員 ほか

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