・第一種低層住居専用地域に建築できる用途を知りたい。
・兼用住宅とは?
・その他の制限は?
一級建築士が解説します。
第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物
第一種低層住居専用地域は、13ある用途地域の中でも、最も厳しい制限が設けられている用途地域です。
その名のとおり、低層住宅の良好な住環境を守ることを目的としており、店舗や事務所などは一部の例外を除き、原則として建築できません。
第一種低層住居専用地域内に建築できる建築物は、建築基準法別表第2に記載されています。
以下に記載します。
第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物
一 住宅
二 住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの
※政令:令130条の3
令130条の3
法別表第2(い)項第二号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第1項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める住宅は、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供し、かつ、次の各号のいずれかに掲げる用途を兼ねるもの(これらの用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えるものを除く。)とする。
一 事務所(汚物運搬用自動車、危険物運搬用自動車その他これらに類する自動車で国土交通大臣の指定するもののための駐車施設を同一敷地内に設けて業務を運営するものを除く。)
二 日用品の販売を主たる目的とする店舗又は食堂若しくは喫茶店
三 理髪店、美容院、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、貸本屋その他これらに類するサービス業を営む店舗
四 洋服店、畳屋、建具屋、自転車店、家庭電気器具店その他これらに類するサービス業を営む店舗(原動機を使用する場合にあつては、その出力の合計が0.75kW以下のものに限る。)
五 自家販売のために食品製造業(食品加工業を含む。以下同じ。)を営むパン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋その他これらに類するもの(原動機を使用する場合にあつては、その出力の合計が0.75kW以下のものに限る。)
六 学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類する施設
七 美術品又は工芸品を製作するためのアトリエ又は工房(原動機を使用する場合にあつては、その出力の合計が0.75kW以下のものに限る。)
三 共同住宅、寄宿舎又は下宿
四 学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館その他これらに類するもの
五 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
六 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの
七 公衆浴場(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項第一号に該当する営業(以下この表において「個室付浴場業」という。)に係るものを除く。)
八 診療所
九 巡査派出所、公衆電話所その他これらに類する政令で定める公益上必要な建築物
※政令:令130条の4
令130条の4
法別表第2(い)項第九号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第1項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める公益上必要な建築物は、次に掲げるものとする。
一 郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務の用に供する施設で延べ面積が500㎡以内のもの
二 地方公共団体の支庁又は支所の用に供する建築物、老人福祉センター、児童厚生施設その他これらに類するもので延べ面積が600㎡以内のもの
三 近隣に居住する者の利用に供する公園に設けられる公衆便所又は休憩所
四 路線バスの停留所の上家
五 次のイからチまでのいずれかに掲げる施設である建築物で国土交通大臣が指定するもの
イ 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第120条第1項に規定する認定電気通信事業者が同項に規定する認定電気通信事業の用に供する施設
ロ 電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第十六号に規定する電気事業(同項第二号に規定する小売電気事業を除く。)の用に供する施設
ハ ガス事業法第2条第2項に規定するガス小売事業又は同条第5項に規定する一般ガス導管事業の用に供する施設
ニ 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第2条第3項に規定する液化石油ガス販売事業の用に供する施設
ホ 水道法第3条第2項に規定する水道事業の用に供する施設
ヘ 下水道法第2条第三号に規定する公共下水道の用に供する施設
ト 都市高速鉄道の用に供する施設
チ 熱供給事業法(昭和47年法律第88号)第2条第2項に規定する熱供給事業の用に供する施設
十 前各号の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く。)
※政令:令130条の5
令130条の5
法別表第2(い)項第十号、(ろ)項第三号及び(ち)項第六号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第1項、第2項及び第8項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める建築物は、次に掲げるものとする。
一 自動車車庫で当該自動車車庫の床面積の合計に同一敷地内にある建築物に附属する自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積(当該築造面積が50㎡以下である場合には、その値を減じた値)を加えた値が600㎡(同一敷地内にある建築物(自動車車庫の用途に供する部分を除く。)の延べ面積の合計が600㎡以下の場合においては、当該延べ面積の合計)を超えるもの(次号に掲げるものを除く。)
二 公告対象区域内の建築物に附属する自動車車庫で次のイ又はロのいずれかに該当するもの
イ 自動車車庫の床面積の合計に同一敷地内にある建築物に附属する自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積を加えた値が2000㎡を超えるもの
ロ 自動車車庫の床面積の合計に同一公告対象区域内にある建築物に附属する他の自動車車庫の床面積の合計及び当該公告対象区域内にある建築物に附属する自動車車庫の用途に供する工作物の築造面積を加えた値が、当該公告対象区域内の敷地ごとに前号の規定により算定される自動車車庫の床面積の合計の上限の値を合算した値を超えるもの
三 自動車車庫で2階以上の部分にあるもの
四 床面積の合計が15㎡を超える畜舎
五 法別表第2(と)項第四号に掲げるもの
兼用住宅について
ここで、第二号の「住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもの」、いわゆる兼用住宅について見ていきます。
兼用住宅とは、住宅部分と店舗などの部分が内部でつながっており、行き来できる建築物のことです。
これに対して、似た言葉に併用住宅がありますが、こちらは住宅部分と店舗などの部分が内部でつながっておらず、行き来できないものをいいます。
イメージは以下の図のとおりです。

第一種低層住居専用地域内では、併用住宅は建築不可なので、注意が必要です。
兼用住宅については、店舗等の部分が50㎡以下かつ住宅部分の床面積以下である必要があります。
高さの制限
第一種低層住居専用地域では、用途に厳しい制限があるだけでなく、建物の高さについてもさまざまな規制が設けられています。
・絶対高さ制限
建築物の高さの上限が、都市計画により10mまたは12mのいずれかで定められています。
・道路斜線制限
道路斜線制限については、適用距離が20mまたは25m、勾配が1.25とされています。

・北側斜線制限
北側斜線制限については、適用の基準となる高さが地盤面から5m、勾配が1.25とされています。

その他の制限
外壁後退
外壁後退距離は、自治体の都市計画により定められます。
この規定がある場合、敷地境界線から建物の外壁面までを1mまたは1.5m以上後退させる必要があります。
敷地面積の最低限度
敷地面積の最低限度についても、自治体が都市計画で定めることができます。
その上限は200㎡以下とされています。
日影規制
第一種低層住居専用地域では、一定規模以上の建築物に対して日影規制も適用されます。
対象となる建築物
・軒高が7mを超える建築物
・地階を除く階数が3以上の建築物
測定面の高さ
・平均地盤面から1.5m
規制時間
日影時間の規制値は、次の3種類のうちから自治体が定めます。
| 敷地境界線からの水平距離が10m以内の範囲における日影時間 | 敷地境界線からの水平距離が10mを超える範囲における日影時間 |
| 3時間(道の区域内にあっては、2時間) | 2時間(道の区域内にあっては、1.5時間) |
| 4時間(道の区域内にあっては、3時間) | 2.5時間(道の区域内にあっては、2時間) |
| 5時間(道の区域内にあっては、4時間) | 3時間(道の区域内にあっては、2.5時間) |