凍結深度とは
凍結深度とは、冬の寒さによって、地面が凍る深さのことです。
寒冷地では、冬になると地表面から地中に向かって地盤が凍っていきます。
このとき、地盤が凍る範囲の深さを「凍結深度」といいます。
地盤が凍ると、建物の基礎に悪影響を与える可能性があります。
地盤中の水分が凍ると、体積が膨張します。
その影響で地盤が持ち上がる現象を凍上といいます。
基礎が凍結深度より浅い位置にあると、地盤の凍上によって基礎が持ち上げられ、建物に傾きやひび割れが生じるおそれがあります。寒冷地では、基礎の設計にあたり凍結深度を考慮し、十分な根入れ深さを確保することが求められます。
建築基準法上の取り扱い
「凍結深度」という言葉は、建築基準法には記載がありませんが、施行令第38条に基づく平成12年建設省告示第1347号において登場します。
同告示において、べた基礎と布基礎について、「根入れ深さを凍結深度よりも深いものとすることその他凍上を防止するための有効な措置を講ずること」
と明記されています。
凍結深度と基礎の根入れ深さ
建物の基礎は、建物を支える重要な部分です。
そのため、寒冷地では、基礎を地盤が凍る範囲より深い位置まで入れる必要があります。
この「地盤面から基礎の下端までの深さ」を、根入れ深さといいます。
例えば、ある地域の凍結深度が60cmの場合、基礎の下端をそれより浅い位置にすると、凍上の影響を受ける可能性があります。
そのため、原則として基礎の根入れは、凍結深度より深くする必要があります。

凍結深度の確認方法
凍結深度を確認する方法としては、主に次のようなものがあります。
| 確認方法 | 内容 |
|---|---|
| 特定行政庁に確認する | 建築指導課などに地域の取扱いを確認する |
| 自治体の資料を確認する | 凍結深度に関する公表資料がある場合がある |
| 道路・土木分野の資料を参考にする | 建築分野で明確な数値がない場合、道路舗装等の凍結深さを参考にすることがある |
| 設計者が敷地条件を踏まえて判断する | 標高、地形、地盤、水分量、積雪状況などを考慮する |
例えば、北海道は、HPにて地域ごとの凍結深度を公開していて、最低でも50㎝、最大で120㎝と指定されています。
注意点として、すべての自治体が凍結深度を明確に定めているわけではありません。
気温、積雪量、地盤の水分量、標高、日当たり、周辺環境などによって変わります。
そのため、北海道、東北、北陸、甲信越などの寒冷地では、地域ごとの凍結深度を確認することが重要です。
また、同じ県内でも、沿岸部と山間部では気温や積雪条件が異なるため、凍結深度が変わる場合があります。
仙台市や福島県などは、一律の凍結深度は定めておらず、設計者が敷地の実況を調査し、自らの判断で凍結深度を設定することとしています。
凍結深度より浅いとどうなるのか
基礎が凍結深度より浅い位置にあると、地盤が凍ったときに基礎が持ち上げられるおそれがあります。
その結果、次のような不具合につながる可能性があります。
| 不具合 | 内容 |
|---|---|
| 基礎のひび割れ | 凍上により基礎に不均一な力がかかる |
| 建物の傾き | 一部だけが持ち上がることで建物が傾く |
| 建具の不具合 | 建物の変形によりドアや窓が開閉しにくくなる |
| 土間のひび割れ | 玄関土間、犬走り、外構などにひび割れが生じる |
| 配管の損傷 | 地盤の動きにより給排水管に影響が出る |
凍上は、建物全体が均一に持ち上がるとは限りません。
日当たり、地盤の含水状態、積雪の有無などによって凍結の程度が変わるため、部分的に持ち上がることで建物に歪みが生じることがあります。
東京など温暖地でも確認は必要か
東京などの温暖地では、北海道や東北地方ほど凍結深度が問題になる場面は多くありません。
しかし、山間部、高地、寒冷な地域、または自治体が凍結深度の確認を求める地域では、基礎の根入れを検討する必要があります。
まとめ
凍結深度とは、冬の寒さによって地盤が凍る深さのことです。
寒冷地では、地盤中の水分が凍って膨張し、地盤が持ち上がる凍上が発生することがあります。
基礎が凍結深度より浅い位置にあると、凍上によって基礎が持ち上げられ、建物の傾きやひび割れにつながるおそれがあります。
そのため、建物の基礎は、原則として凍結深度より深い位置まで根入れすることが重要です。
ただし、凍結深度は全国一律ではなく、地域や敷地条件によって異なります。
計画地の自治体資料や特定行政庁の取扱いを確認し、必要に応じて設計者が敷地条件を踏まえて判断する必要があります。
特に寒冷地で住宅や建築物を計画する場合は、早い段階で凍結深度を確認し、基礎の根入れ深さや凍上対策を検討することが重要です。