・安全基準は?
・危険なCB塀の見分け方は?
一級建築士が解説します。
CB塀とは
CB塀(シービー塀)とは、コンクリートブロックを積み上げ、内部に鉄筋やモルタルを入れて構成する塀のことです。
「Concrete Block」の頭文字をとって、CB塀、あるいはブロック塀と呼ばれます。
住宅地などでよく見かける、いわゆる「ブロック塀」は、このCB塀にあたります。
コンクリートブロックは、一般的に高さ約20cm程度のものが多く、これを数段積み上げることで塀をつくります。
CB塀の特徴
CB塀には、次のような特徴があります。
- 敷地境界や目隠しとして使われる
- 比較的安価で施工しやすい
- 住宅地で多く見られる
- 高く積みすぎると倒壊リスクがある
- 地震時の安全性に特に注意が必要
特に注意が必要なのは、地震時の倒壊リスクです。
CB塀は、適切に鉄筋や控え壁が設けられていない場合、地震時に倒壊するおそれがあります。道路沿いや通学路に面するCB塀では、倒壊によって歩行者に危険を及ぼす可能性があるため、安全性の確認が重要です。
2018年に発生した大阪北部地震の際には、小学校の通学路のCB塀が倒壊し、通学中の小学生がその下敷きになり亡くなるという悲しい事故がありました。
建築基準法の規定
CB塀の構造方法等については、建築基準法施行令第62条の8において規定されています。
建築基準法上は、「補強コンクリートブロック造の塀」と表記されます。
補強コンクリートブロック造の塀は、原則として以下の基準に適合させる必要があります。
ただし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算により、構造耐力上安全であることが確認された場合は、この仕様によらないことも可能です。
この「国土交通大臣が定める基準」として、平成12年建設省告示第1355号があります。
CB塀の構造基準
建築基準法施行令第62条の8では、CB塀について、主に次のような基準が定められています。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| ①高さ | 2.2m以下 |
| ②壁の厚さ | 15cm以上。ただし、高さ2m以下の塀は10cm以上 |
| ③壁頂・基礎の鉄筋 | 横方向に径9mm以上の鉄筋を配置 |
| ③端部・隅角部の鉄筋 | 縦方向に径9mm以上の鉄筋を配置 |
| ④壁内の鉄筋 | 径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で配置 |
| ⑤控壁 | 長さ3.4m以下ごとに設置 |
| ⑤控壁の突出長さ | 基礎部分において、壁面から塀の高さの1/5以上突出 |
| ⑥鉄筋の定着 | 鉄筋の末端は原則としてかぎ状に折り曲げ、縦筋・横筋にかぎ掛けして定着 |
| ⑦基礎の丈 | 35cm以上 |
| ⑦根入れ深さ | 30cm以上 |
※高さ1.2m以下の塀の場合、⑤と⑦への適合は不要です。
高さの測り方
塀の高さの測り方について、一般財団法人全国建築コンクリートブロック工業会より基準が示されています。
基本的には確認申請等においても同様の考え方が適用されます。
安全側に考えて、低い位置からの高さを基準とします。

出展:2-1. ブロック塀の主な規定|2. 安全なブロック塀とは|ブロック塀大事典|一般社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会
控え壁について
高さが1.2mを超える場合、塀が地震等で倒れないように、原則控え壁を3.4m以内ごとに設置する必要があります。
1.2mを超えるかどうかは、塀の段数で簡易的にチェック可能です。1段20㎝と考えると、6段以上積んでいる場合に控え壁が必要です。
こちらについても、全国建築コンクリートブロック工業会にて示されているので、ご確認ください。

出展:2-1. ブロック塀の主な規定|2. 安全なブロック塀とは|ブロック塀大事典|一般社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会
※高さ1.2mを超える場合でも、平成12年建設省告示第1355号による構造計算を行って安全性を確認すれば、控え壁を設置しなくても良いです。
ブロック塀の点検チェックポイント
国土交通省から、CB塀の構造に関するチェックポイントが示されています。
塀の安全性を目視で確認する際の参考として、ぜひ活用してください。
出展:国土交通省
建築基準法施行令第62条の8
建築基準法施行令第62条の8
補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ1.2m以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
※大臣が定め⇒平成12年建設省告示第1355号
一 高さは、2.2m以下とすること。
二 壁の厚さは、15㎝(高さ2m以下の塀にあつては、10㎝)以上とすること。
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径9㎜以上の鉄筋を配置すること。
四 壁内には、径9㎜以上の鉄筋を縦横に80㎝以下の間隔で配置すること。
五 長さ3.4m以下ごとに、径9㎜以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの5分の1以上突出したものを設けること。
六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の40倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
七 基礎の丈は、35㎝以上とし、根入れの深さは30㎝以上とすること。
平成12年建設省告示第1355号
施行令第62条の8のただし書きの構造計算基準である、平成12年建設省告示第1355号を以下に貼付けします。
上記、簡単に要約すると以下のようになります。
本告示では、補強コンクリートブロック造の塀について、 地上部分および地下部分に作用する荷重を考慮し、 塀の各部に生じる応力度が許容応力度を超えないことを確認することが求められています。
確認する主な事項
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 地上部分 | 風圧力、地震力により、塀の地上部分に生じる応力度が許容応力度以下であることを確認する。 |
| 地下部分 | 土圧等により、塀の地下部分に生じる応力度が許容応力度以下であることを確認する。 |
| 基礎・根入れ | 地盤に対する安全性や塀の転倒・滑動等について確認する。 |
平成12年建設省告示第1355号は、補強コンクリートブロック造の塀について、 構造計算により安全性を確認するための基準を定めたものです。 特に、地上部分に作用する外力だけでなく、地下部分に作用する土圧等も考慮し、 塀全体として構造耐力上安全であることを確認する点が重要です。
倒壊の危険があるCB塀を見分けるポイント
街中にあるCB塀の中には、老朽化や施工不良などにより、地震時に倒壊する危険性が高いものがあります。
特に、道路沿いや通学路に面するCB塀が倒壊すると、歩行者に大きな被害を及ぼすおそれがあるため、注意が必要です。
倒壊の危険があるCB塀を見分ける主なポイントは、以下のとおりです。
石垣の上にCB塀が設けられている
石垣の上にCB塀が積まれている場合、石垣部分に鉄筋を定着できず、CB塀が十分に固定されていない可能性があります。そのため、地震時に石垣とCB塀が一体で挙動せず、塀が倒壊する危険があります。
塀が傾いている
塀全体が傾いている場合、基礎や地盤、塀本体に問題が生じている可能性があります。地震時だけでなく、通常時でも倒壊の危険があります。
塀にひび割れがある
ひび割れが生じているCB塀は、ブロックやモルタル、内部の鉄筋が劣化している可能性があります。露出した鉄筋は、酸化によって膨張をし、コンクリートを破壊していきます。特に、ひびが大きい場合や複数箇所に発生している場合は注意が必要です。
控え壁の間隔が広すぎる
高さが1.2mを超えるCB塀には、原則として、長さ3.4m以下ごとに控え壁を設ける必要があります。控え壁がない場合や、間隔が広すぎる場合は、地震時に塀が倒れやすくなります。
透かしブロックを使用している
透かしブロックは、内部に鉄筋を適切に配筋されていない可能性があり、通常のコンクリートブロックに比べて地震の揺れに弱い場合があります。特に、縦、横、斜めに連続的に使用されている場合や最下段、最上段に使用されている場合は注意が必要です。
まとめ
・CB塀(補強コンクリートブロック造の塀)に関する基準は、建築基準法施行令第62条の8に規定されている。
・同条では、CB塀の高さ、壁厚、鉄筋の配置、控え壁、基礎の寸法などについて基準が定められている。
・ただし、平成12年建設省告示第1355号に基づく構造計算を行い、構造耐力上安全であることが確認できる場合は、施行令第62条の8の仕様規定によらないことも可能。
・危険なCB塀は、塀の傾き、ひび割れ、控え壁の不足、透かしブロックの使用、石垣上の設置など、ある程度は目視で確認できる。
・道路沿いや通学路に面するCB塀は、地震時に倒壊すると歩行者に大きな被害を及ぼすおそれがあるため、特に注意が必要。
CB塀について、より詳細な設計を行う場合は、以下のテキスト(壁式構造関係設計基準集・同解説(メーソンリー編))が参考になります。
建築基準法よりも詳細な記載があり、こちらの基準に準じた設計であれば、かなり安全性は高いです。