建築 建築物省エネ法

省エネ部位ラベルとは

・省エネ性能ラベルとの違いは?
・どのような場合に表示できる?
・確認方法は?
etc

一級建築士が解説します。

省エネ部位ラベルとは

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)では、建物の省エネ性能を分かりやすく示すために「省エネ性能ラベル」を表示できます。

ただし既存住宅の場合、図面や計算書などの図書が十分に残っていないことも多く、建物全体の省エネ性能(=省エネ性能ラベル)を把握するのが難しいケースがあります。

そこで用意されているのが「省エネ部位ラベル」です。
建物全体の性能が分からなくても、窓の断熱性能高効率給湯器など、省エネに効果のある“部位”の取組状況を表示できる仕組みで、広告や案内資料などで部位の性能を示したいときに活用できます。

省エネ部位ラベル(出典:建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン(第2版 改定)

表示できる条件

•主たる表示事項の 「窓」または「給湯器」 が要件を満たす場合(どちらか一方でも可)

•対象部位に明確な不具合がある場合は、「有り」として表示しない

何を表示する?

主たる項目(必須項目):窓、給湯器

副次的な項目(任意項目):外壁、玄関ドア、節湯水栓、高断熱浴槽、空調設備、太陽光発電、太陽熱利用

その他:評価日、設置・改修時期、再エネ設備の有無、建物名称 など
※表示要件は、今後の基準見直し等を踏まえて検討されるとされています。

省エネ部位ラベルの発行について

省エネ部位ラベルの発行は、次の流れで行います。

①設備等の有無・改修部位の把握

・仕様が分かる図書等で確認

・現況を確認

設備の種類によって上記どちらかの方法によって確認します。

②省エネ部位ラベルの発行

各部位の確認方法

・窓

リビング・ダイニングに設置されている全ての窓について、サッシとガラスの仕様を確認。

⇒図書(図面等)又は現況確認により確認

 ※天窓や小窓は対象外。

 ※内窓が設置され、二重窓になっているかどうか確認。

 ※サッシの隅に製品ラベルが貼られている場合は、記載されている品番等をメーカーのHPで検索し仕様が確認できます。


・給湯器

給湯器の種類が下記のいずれかに該当するか確認。

該当する場合、ラベルに表示が可能。

⇒図書(取扱説明書等)又は現況確認により確認

 ※給湯器に製品ラベルが貼られている場合は、記載されている品番等をメーカーのHPで確認し、給湯器の種類が確認できます。


・外壁

リビング・ダイニングの外壁(外気と接する壁)の仕様が仕様基準に適合するか確認。

⇒現況確認ではなく、図書(図面等)で下記の項目を確認


・玄関ドア

玄関ドアの仕様が、仕様基準に適合するか確認

⇒図書(図面等)又は現況確認により、下記の項目を確認

 ※玄関ドアの隅に製品ラベルが貼られている場合は、記載されている品番等をメーカーのHPで検索し、玄関ドアのU値を確認する方法があります。


・節湯水栓・高断熱浴槽

節湯水栓⇒台所水栓・洗面水栓・浴室シャワー水栓のいずれか一つ以上が、「手元止水機能」「小流量吐水機能」「水優先吐水機能」のいずれかの機能がある場合(流量調整部及び温度調節部が使用者の操作範囲内にある場合に限る)にラベルに表示可能

 ※バルブ水栓は、節湯水栓ではありません。

 ※ボタンやセンサー等のスイッチにより吐水・止水操作ができる場合は「手元止水機能」に該当します。

高断熱浴槽⇒浴槽の仕様が下記に該当する場合、ラベルに表示可能

⇒図書(図面等)又は現況確認により確認


・空調設備

リビング・ダイニングに設置された空調設備(エアコン)の仕様が、仕様基準に適合するか確認

⇒図書(取扱説明書等)又は現況確認により確認

 ※製品ラベルで品番を確認⇒HPで性能区分を確認


・再エネ設備

屋根や敷地内に設置された再エネ設備(太陽光発電設備・太陽熱利用設備)の有無、及び下記に該当するか確認

⇒現況確認により確認


出典:省エネ部位ラベル解説版

省エネ部位ラベルの留意点等

①優良誤認や消費者の混乱の防止

以下の使用は禁止されています。

 ・故障して動かない設備の表示

 ・省エネ部位ラベルと省エネ性能ラベルの両方を表示


②新築時に省エネ性能ラベルを取得したケース

2024年4月1日以降に新築された住宅は、省エネ部位ラベルは使用できません。

・新築時に省エネ性能ラベルを取得した住宅は、改修後の性能を表示するには、省エネ性能ラベルを再発行する必要があります。


③過去に省エネ部位ラベルを取得した既存住宅を改修するケース

・各部位の仕様に変更が無いか再度現況確認を行い、省エネ部位ラベルを再発行する必要があります。


Q&A

Q:図書等に記載された仕様と現況が異なる場合はどうすればよいですか?

A:現況で確認した仕様を表示してください。


Q:省エネ性能ラベルを表示している物件について、省エネ部位ラベルを表示することは可能ですか。

A:不可です。両方取得している場合は「省エネ性能ラベル」を表示すべきとしています。


Q:省エネ部位ラベルを表示していないと罰則はありますか?

A:省エネ部位ラベルの非表示について、国から勧告等を行うことはありません。ただし、事実と異なる表示や、ラベルを見る人が誤認するような表示を行っている場合は、勧告等が行われる可能性があります。


  • この記事を書いた人

TAK

新卒で確認検査機関に入社し、意匠・構造の双方の確認審査業務を経験した元確認検査員。 建築基準法をはじめ、建築物に関するお役立ち情報を発信します。 【保有資格】 一級建築士/一級建築基準適合判定資格者/特定建築基準適合判定資格者(ルート2主事)/ 宅地建物取引士/住宅性能評価員/省エネ適合性判定員 ほか

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