・特徴は?
・他の環境認証との違いは?
・どんな建物が対象?
建築物の環境認証制度であるDBJ Green Building認証について解説します。
DBJ Green Building認証とは
DBJ Green Building認証(DBJ-GB)は、日本政策投資銀行(DBJ)が2011年に創設した、不動産の「環境・社会への配慮」を評価・認証する制度です。
建物の環境性能だけでなく、防災・防犯、周辺環境・コミュニティへの配慮、ステークホルダーとの協働なども含めて総合的に評価します。
認証業務は一般財団法人 日本不動産研究所(JREI)が実施し、ESG投資のKPI設定や、IR/CSR・リーシングでの説明資料として活用されます。
DBJ-GBは、環境だけでなく社会面の配慮も含めて不動産を評価し、事業者と金融機関・投資家の対話を促すことを狙った枠組みです。
省エネ等の“ハード性能のみ”に寄りすぎず、長期的な運営の工夫や取り組みも重視する設計になっています。
評価の特徴
DBJ-GBは、Environment / Social / Governance の観点を取り込み、以下の5分野で総合評価します。
既存物件でも、運用改善や事業者の取組みを反映しやすい点が特徴です。
| 評価分野 | 主な観点(例) |
| Energy & Resources | 省エネ・省資源/再エネ/節水 等 |
| Amenity | 快適性・健康配慮/設備仕様/利便性 等 |
| Community & Diversity | 景観・緑化/ユニバーサル/地域との関わり 等 |
| Partnership | 情報開示/啓発・対話/パートナーシップ 等 |
| Resilience | 防災・防犯/BCP/耐震・備蓄・警備体制 等 |

出典: DBJ Green Building認証|金融サービス|日本政策投資銀行(DBJ)
対象用途
DBJ-GBは用途(アセット)ごとに評価設問が用意されています。
近年は対象領域が拡張され、ホテル版(2024年4月運用開始)やヘルスケア版(2025年4月運用開始)も公表されています。
| アセット | 備考 |
| オフィスビル | 主要4アセットの1つ |
| ロジスティクス | 物流施設 |
| リテール | 商業施設 |
| レジデンス | 住宅(賃貸等) |
| ホテル | 2024/4/1 運用開始 |
| ヘルスケア | 2025/4/1 運用開始 |
認証ランク、有効期間、費用等について
認証は5段階で評価され、有効期間は認証後3年間です。また、認証においては現地実査による確認が行われることが大きな特徴です。
費用は1件数十万円程度が目安となります。
| 項目 | ポイント |
| 認証ランク | ★1〜★5(5段階) |
| 有効期間 | 本認証付与後3年間(更新は再認証) |
| 現地確認 | 実査(ヒアリング含む)が必須 |
| 費用 | 数十万円/件 |
認証ランクの考え方は、以下のようになります。
・ランク(★〜★★★★★)の閾値は用途(アセットタイプ)別に設定されており、用途により基準点が異なります。
・「★★★」以上は市場の中で相対的に上位層になるように設計されています。
認証の流れ
認証の大まかな流れは、以下の通りです。

ポイント
・スコアリングシートには全部で87の質問項目があります。
最新版スコアリングシート:DBJ GreenBuilding認証(DBJグリーンビルディング認証) 最新版スコアリングシート
・提出資料は、スコアリングシートのほか、必要最小限の図面等です。
・認証では実査(現地確認)が行われます。
・認証結果は、以下のDBJとJREIの共同運営サイトに公開されます。
DBJ GreenBuilding認証(DBJグリーンビルディング認証) 認証物件一覧
自己査定システムについて
申請者自身で仮評価申請前にランクの把握が可能な、自己査定システムというものも存在します。
⇒DBJ Green Building 認証 自己査定システム

認証実績
認証件数は年々増加傾向にあり、今後も増加していくことが予想されます。
用途としては、住宅やオフィスで7割程度を占めている状況です。
認証スコアは★★★が最も多く、★★★★★を取得できれば、かなり上位層になります。

出典:GRESB結果概説
DBJ-GBの活用メリット
◎投資家・金融市場向け
・ESG投資のKPI(見える化)として説明しやすい
・グリーンファイナンスの文脈で第三者認証として扱われることがある
◎テナント・利用者向け
・快適性(Amenity)やレジリエンス(防災・防犯)を含めた総合評価を示せる
・リーシング/ブランディングの“選ばれる理由”にしやすい
◎既存物件の改善・運用
・運用改善や取り組みを評価に反映しやすく、改善サイクルの対話ツールになりやすい
・「実査あり」なので、社内外の説明で説得力が出る
他認証との住み分け
同じ「環境認証」でも、評価対象・思想・使いどころが異なります。
DBJ-GBは“環境性能+社会面(防災・コミュニティ等)+対話ツール”の性格が強いのが特徴です。
都内のオフィスビルにおいては、DBJ-GBの比率が最も高いです。
| 制度 | 特徴 | 主な使いどころ |
| DBJ Green Building | ESG 5視点で総合評価/実査あり/5段階(★) | ESG投資・IR/CSR/リーシング/既存物件の改善 |
| CASBEE | Q(品質)とL(負荷)を分け、BEEで評価 | 国内での評価・届出/不動産のラベリング |
| LEED | Prerequisite+ポイント加算でレベル決定(国際標準) | 外資テナント対応/グローバルな説明 |

図:大規模オフィスビルにおけるグリーンビルディング認証の取得割合(棟数ベース)