建築 建築基準法(意匠) 法改正情報

防火区画等の内装制限の見直し(令第112条、令第123条関係)【令和7年11月1日施行】

令和7年11月1日に施行された内装制限に関する法改正情報について解説します。

建築基準法施行令第112条第8項、第9項について、新旧の法文を比較します。赤字が変更となった部分です。

旧 建築基準法施行令第112条第8項
前項の建築物の部分で、当該部分の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。次項及び第十四項第一号において同じ。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造つたものは、特定防火設備以外の法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、前項の規定にかかわらず、床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画すれば足りる。

新 建築基準法施行令第112条第8項
前項の建築物の部分で、国土交通大臣が定める基準に従い、当該部分の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。次項及び第十四項第一号において同じ。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造ることその他これに準ずる措置が講じられたものは、特定防火設備以外の法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、前項の規定にかかわらず、床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画すれば足りる。

※ここでいう前項とは、施行令第112条第7項を示します。第7項を以下に記載しておきます。

建築基準法施行令第112条第7項
建築物の11階以上の部分で、各階の床面積の合計が100㎡を超えるものは、第1項の規定にかかわらず、床面積の合計100㎡以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で区画しなければならない。

旧 建築基準法施行令第112条第9項
第7項の建築物の部分で、当該部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つたものは、特定防火設備以外の法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、同項の規定にかかわらず、床面積の合計500㎡以内ごとに区画すれば足りる。

新 建築基準法施行令第112条第9項
第7項の建築物の部分で、国土交通大臣が定める基準に従い、当該部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ることその他これに準ずる措置が講じられたものは、特定防火設備以外の法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、同項の規定にかかわらず、床面積の合計500㎡以内ごとに区画すれば足りる。

8項、9項ともに「国土交通大臣が定める基準に従い、」「その他これに準ずる措置が講じられたものは、」という文言が追加されています。

※8項、9項以外にも改正されている項がありますが、同じ改正内容なので省略します。(11項第一号,14項第一号=竪穴区画、令第123条第1項第二号及び第3項第四号=避難階段,特別避難階段)

これに伴い、新たに国土交通省告示第988号と989号が施行されました。

告示989号は、12号までは告示988号と全く同じ内容で、13~15号の項目が消えているだけです。

国土交通省告示第988号
壁及び天井の室内に面する仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造ることその他これに準ずる措置の基準を定める件

建築基準法施行令第112条第8項及び第14項第一号に規定する壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造ることその他これに準ずる措置の基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。

一 仕上げを厚さが25㎜以上のコンクリートですること。
二 仕上げを厚さが30㎜以上のれんがですること。
三 仕上げを厚さが5㎜以上の陶磁器質タイルでし、かつ、その下地を厚さが12㎜以上の窯業系サイディングで造ること。
四 仕上げを繊維強化セメント板(日本産業規格(以下「JIS」という。)A5430(繊維強化セメント板)に規定する1.0けい酸カルシウム板又は0.8けい酸カルシウム板に適合する材料に限る。)を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を22㎜以上とすること。
五 仕上げを厚さが35㎜以上の繊維強化セメント板(JIS A5430(繊維強化セメント板)に規定する0.5けい酸カルシウム板に適合するものに限る。)ですること。
六 仕上げを厚さが25㎜以上の繊維強化セメント板(JIS A5430(繊維強化セメント板)に規定する0.2けい酸カルシウム板に適合するものに限る。)ですること。
七 仕上げをガラス繊維混入セメント板を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を18㎜以上とすること。
八 仕上げを厚さが25㎜以上のモルタルですること。
九 仕上げを厚さが27㎜以上のしっくいでし、かつ、その下地を平成12年建設省告示第1439号に規定する木材等又は難燃材料で造ること。
十 仕上げを厚さが30㎜以上の片面塗り又は各面の厚さが25㎜以上の両面塗りの壁土でし、かつ、下地を小舞下地で造ること。
十一 仕上げを厚さが21㎜以上の強化せっこうボード(JIS A6901(せっこうボード製品)に規定する強化せっこうボードに適合するものに限る。)ですること。
十二 仕上げをせっこうボード(ボード用原紙の厚さが0.6㎜以下のものに限る。)を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を21㎜以上とすること。
十三 仕上げを普通木毛セメント板を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を30㎜以上とすること。
十四 仕上げを中質木毛セメント板を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を30㎜以上とすること。
十五 仕上げを厚さが25㎜以上の硬質木片セメント板(かさ比重が0.9以上のものに限る。)ですること。

国土交通省告示第989号
壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ることその他これに準ずる措置の基準を定める件

建築基準法施行令第112条第9項及び第11項第一号並びに第123条第1項第二号及び第3項第四号に規定する壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ることその他これに準ずる措置の基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。

一 仕上げを厚さが25mm以上のコンクリートですること。
二 仕上げを厚さが30mm以上のれんがですること。
三 仕上げを厚さが5mm以上の陶磁器質タイルでし、かつ、その下地を厚さが12mm以上の窯業系サイディングで造ること。
四 仕上げを繊維強化セメント板(日本産業規格(以下「JIS」という。)A5430(繊維強化セメント板)に規定する1.0けい酸カルシウム板又は0.8けい酸カルシウム板に適合する材料に限る。)を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を22mm以上とすること。
五 仕上げを厚さが35mm以上の繊維強化セメント板(JIS A5430(繊維強化セメント板)に規定する0.5けい酸カルシウム板に適合するものに限る。)ですること。
六 仕上げを厚さが25mm以上の繊維強化セメント板(JIS A5430(繊維強化セメント板)に規定する0.2けい酸カルシウム板に適合するものに限る。)ですること。
七 仕上げをガラス繊維混入セメント板を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を18mm以上とすること。
八 仕上げを厚さが25mm以上のモルタルですること。
九 仕上げを厚さが27mm以上のしっくいでし、かつ、その下地を平成12年建設省告示第1439号に規定する木材等又は難燃材料で造ること。
十 仕上げを厚さが30mm以上の片面塗り又は各面の厚さが25mm以上の両面塗りの壁土でし、かつ、下地を小舞下地で造ること。
十一 仕上げを厚さが21mm以上の強化せっこうボード(JIS A6901(せっこうボード製品)に規定する強化せっこうボードに適合するものに限る。)ですること。
十二 仕上げをせっこうボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る。)を2枚以上張ったものでし、その厚さの合計を21mm以上とすること。

まとめると、以下のようになります。

まとめ
これまで、高層区画・竪穴区画・避難階段・特別避難階段において、下地および仕上げの両方を不燃材料(または準不燃材料)とすることが求められていた部分に対して、
必ずしも下地・仕上げのすべてを不燃材料(または準不燃材料)とする必要はなくなった。

具体的には、
準不燃材料については
 → 告示第988号に規定される措置
不燃材料については
 → 告示第989号に規定される措置

これらの措置を適切に講じている場合は、
下地や仕上げを不燃材料(または準不燃材料)としなくてもよい
と整理された。

告示の性能を満たせば、下地への不燃要求が無くなるため、木造等にも使いやすくなりました。


なお、告示988号、989号に規定する仕上げの上に準不燃材料以上の性能の壁紙等の材料を施工する場合は、告示に適合するものと扱って支障無いとしています。

ただし、告示の第三号、第九号、第十号の基準に適合するものの上に施工する場合は、下地をそれぞれ各号に掲げる基準に適合するものとした場合に限るとしています。


また、施工上の留意点として、以下の措置を講じる必要があります。

①仕上げは隙間なく施工する。

②コンセントボックス、照明器具、配管等により仕上げに切り欠きを設ける場合は、鋼製のコンセントボックス等を用い、当該器具の裏面を厚さ30㎜以上の不燃性断熱材(密度24㎏/㎥以上のロックウール又はグラスウール)で被覆する。

③壁内に可燃性断熱材を充填する場合には、留付け金物等が可燃性断熱材への熱橋となることを防ぐため、仕上げの留付け金物等が下地を貫通して可燃性断熱材に達しないよう留付ける。

  • この記事を書いた人

TAK

30代前半。新卒で確認検査機関に入社し、意匠・構造の双方の確認審査業務を経験した元確認検査員。 建築基準法等に関する情報を発信。 強く、そして美しくなることを目標に、トレーニングや美容・健康管理に励む。体脂肪率は常に一桁を維持。 日焼けを避けるため、夜のランニングを好むナイトラン派。 【保有資格】 一級建築士/一級建築基準適合判定資格者/特定建築基準適合判定資格者(ルート2主事)/ 宅地建物取引士/住宅性能評価員/省エネ適合性判定員 ほか

-建築, 建築基準法(意匠), 法改正情報