その他 建築 建築物省エネ法

LEEDとは(環境認証)

・LEEDの種類は?
・何を評価する?
・他の環境認証との違いは?

海外の環境認証であるLEEDについて、概要を解説します。

LEEDとは

LEEDは、アメリカの非営利団体であるUSGBC(U.S. Green Building Council)が開発・運用し、GBCI(Green Business Certification Inc.)が認証審査を行う、ビルト・エンバイロメント(建築や都市の環境)を対象とした環境性能評価・認証システムです。

LEEDは、より高水準なビルト・エンバイロメントの実現に向けて、どのような戦略を採り、どのように達成するかを評価するグリーンビルディングの認証プログラムとして位置づけられています。

LEED認証を取得するには、まずグリーンビルディングとして満たすべき必須条件(Prerequisite)をクリアし、そのうえで選択項目のポイント(Credit Points)を選んで取得する必要があります。取得ポイントの合計に応じて、認証レベルが決定されます。

なお、必須条件や選択項目のポイントは、各認証システムごとに設定されています。実際のプロジェクトでは、目的や特性に応じて最適な認証システムを選択することができます。

LEEDは、ビルト・エンバイロメントが「設計され、建設され、維持され、運用される」あり方を世界的に変革することを目指しています。

コストや資源の削減を進めながら、人々の健康への良い影響にも配慮し、再生可能なクリーンエネルギーの促進に取り組む建築物を認証する仕組みです。

LEEDの種類

LEED認証は、評価する対象別に以下の5種類に分類されます。


認証レベル

LEEDの評価では、まず必須条件をクリアしたうえで、選択項目のポイントを積み上げ、

合計点に応じて認証レベルが決まります。

認証レベルは4段階で、最高位はプラチナ(80点以上)、次いでゴールド(60〜79点)

シルバー(50〜59点)標準認証(サティスファイド)(40〜49点)の順です。


LEED認証を取得した建物や室内環境は、総じて環境負荷の低減に大きく貢献しているものとして位置づけられています。


LEEDの評価項目

LEEDの評価項目は主に以下のカテゴリーがあり、グリーンビルディングとして絶対に達成しなければいけない必須条件とLEED認証のレベルを決めるうえで必要なポイントを取得するための選択項目があります。

◎評価項目

・総合的プロセス

・立地と交通

・材料と資源

・水の利用

・エネルギーと大気

・敷地選定

・室内環境

・革新性

・地域別重み付け

・立地選択と敷地利用

・近隣のパターンとデザイン

・グリーンな近隣インフラと建築物

参考:LEED クレジット | Green Building Japan


日本と海外での代表的な認証制度

日本では、国の関与のもと整備された CASBEEBELS が代表的な制度です。どちらも建物の環境性能を評価しますが、BELSは省エネ性能の表示が中心で、

CASBEEは環境負荷と環境品質などを含めて総合的に評価する点が特徴です。
海外では LEED が世界的に普及しており、国や地域をまたいで使われるグローバル標準の環境認証として位置づけられています。

加えて近年は、空気・光・温熱・音などを通じて人の健康・快適性を評価する WELL への注目も高まっており、LEEDWELLを併せて取得して

「環境」と「人」の両面から建物価値を高める動きも広がっています。


CASBEEとLEEDの違い

日本の環境認証であるCASBEEとLEEDについて、それぞれの特徴を整理しました。


日本における環境認証の取得状況

不動産分野は日本のCO2排出の約3分の1を占めるとされ、排出削減の観点からグリーンビルディング認証への関心が高まっています。

東京・大阪・福岡の大規模オフィスビルでも認証取得が進み、2024年末時点で「何らかの認証」を取得している割合は、**東京65%/大阪42%/福岡27%**です。

制度別に見ると、東京はDBJ-GBの比率が高く、大阪・福岡はCASBEE-不動産が最多です。

一方、JLL日本のレポートによれば、より厳格な認証の普及はまだ限定的で、LEEDは東京2%、国内制度でも最上位クラスの**CASBEE-建築(Sランク)は東京・福岡で各3%**にとどまります。

図:大規模オフィスビルにおけるグリーンビルディング認証の取得割合(棟数ベース)

出典:グリーンビルディング認証を取得しても座礁資産となる恐れあり


認証に関するデータ

出典:グラフで見るLEEDとWELLの今 2026年2月 | Green Building Japan


日本におけるLEED認証物件の事例

GBJのWEBサイトにて、LEED認証物件を閲覧することができます。

・JLL東京オフィス

認証システム・バージョン:LEED ID+C: Commercial Interiors - LEED v4

認証レベル:platinum

認証取得:2023年3月

・虎ノ門・麻布台プロジェクト

認証システム・バージョン:LEED ND v.4

認証レベル:予備認証 プラチナ

認証取得:2021年3月

・FENDI 銀座シックス

認証システム・バージョン:LEED v4.1 O+M: Interiors

認証レベル:Gold

認証取得:2021年12月

出典:LEED – LEED, WELL & SITES CERTIFIED PROJECTS IN JAPAN


LEED認証を取得するメリットについて

・外資系テナントに選ばれやすい
外資系企業の中には「オフィスはLEED取得が条件/目標」という方針を持つ会社があり、入居先選びで有利になりやすい。

・“環境に配慮している建物”だと分かりやすく示せる
世界的に知られている認証なので、社内外(顧客・取引先・投資家)へ説明しやすい。

ESG・投資評価の場面でプラスになりやすい
不動産の評価(例:GRESBなど)では、LEEDのような認証取得が評価につながることがある。

・オフィスビルの差別化につながる
競争が激しい市場では、LEED取得が「選ばれる理由」になり、ビルの競争力を上げやすい。

  • この記事を書いた人

TAK

30代前半。新卒で確認検査機関に入社し、意匠・構造の双方の確認審査業務を経験した元確認検査員。 建築基準法等に関する情報を発信。 強く、そして美しくなることを目標に、トレーニングや美容・健康管理に励む。体脂肪率は常に一桁を維持。 日焼けを避けるため、夜のランニングを好むナイトラン派。 【保有資格】 一級建築士/一級建築基準適合判定資格者/特定建築基準適合判定資格者(ルート2主事)/ 宅地建物取引士/住宅性能評価員/省エネ適合性判定員 ほか

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