建築 建築基準法(意匠)

敷地内にサイクルポートを設置する場合の注意点【建築基準法、消防法】

・敷地を有効活用するためにサイクルポートを設置したい。
・法律上の注意点は?

指定確認検査機関で審査を行っていた一級建築士/一級建築基準適合判定資格者が解説します。


ちょっとした移動で非常に便利なLUUPなどのシェアサイクルですが、共同住宅やオフィスビルなどの敷地内にサイクルポートが設置されているのをよくみかけます。

サイクルポートを設置することで、賃料収入が期待できるので、敷地活用の手段としても注目されている方も多いかと思います。

敷地内にポートを設置する際、遵法性について注意点があるので、ご紹介します。

敷地内にサイクルポートを設置する場合の注意点【建築基準法】

大梁の下の部分など、元々床面積に算入されていない部分にポートを設置する場合、建築基準法上「屋内的用途に供する」ものと扱われ、以下の絵の青い斜線部分は床面積への算入が必要となります。

大梁下に限らず、バルコニー下部など、上部が雨除けとなっていて床面積に算入されていない部分も同様のことが言えます。

その場合、床面積が増加するので、工事を伴わないですが増築扱いとなり、新たに確認申請をする必要があります。申請を行っていない場合、手続き違反なので、違反建築物ということになってしまいます。

また、床面積が増加することにより単純にその他の建築基準法の規定に適合しなくなることも考えられます。


また、以下の絵のように、建物の出入口から道路等に通じる敷地内通路は、1.5m以上(階数3以下で延べ面積200㎡未満の場合は90㎝)の幅員が必要とされます。その他地域の条例で規制がされているケースもあります。

この通路上にサイクルポートがあると、避難の障害にもなり、敷地内通路の幅員が不足するので建築基準法違反となってしまいます。

敷地内通路は施行令第128条に規定されています。

建築基準法施行令第128条
敷地内には、第123条第2項の屋外に設ける避難階段及び第125条第1項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m(階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物の敷地内にあつては、90㎝)以上の通路を設けなければならない。

また、他にも以下のようなケースは注意が必要です。

・使われていない駐輪場を廃止してサイクルポートを設置⇒駐輪場附置義務条例による駐輪台数が不足する恐れがある。
・緑地部分をサイクルポートに変更⇒緑地面積の減少により緑地条例に抵触する恐れがある。

敷地内にサイクルポートを設置する場合の注意点【消防法】

バルコニーから避難はしご等の避難器具が降下する位置には、避難の障害となるため、消防法上物品を置くなどの行為は禁止されています。

以下の絵のように、避難器具降下地点にサイクルポートがあると避難器具を降ろせなくなってしまい、非常に危険な状態となります。

避難器具降下位置には、「避難器具降下地点」と記載されたプレート等が貼ってある場合が多いので、その場所にはサイクルポートは設置できません。

まとめ

敷地をサイクルポートとして利用する場合は、遵法性をしっかり確認しましょう。

今回の記事は以上です。お読みいただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

TAK

30代前半。新卒で確認検査機関に入社し、意匠・構造の双方の確認審査業務を経験した元確認検査員。 建築基準法等に関する情報を発信。 強く、そして美しくなることを目標に、トレーニングや美容・健康管理に励む。体脂肪率は常に一桁を維持。 日焼けを避けるため、夜のランニングを好むナイトラン派。 【保有資格】 一級建築士/一級建築基準適合判定資格者/特定建築基準適合判定資格者(ルート2主事)/ 宅地建物取引士/住宅性能評価員/省エネ適合性判定員 ほか

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