・構造適判って何?
・どんな建物に必要?
・いつから始まった?
・確認申請との審査内容の違いは?
指定確認検査機関で構造の審査を行っていた元社員が解説します。
構造計算適合性判定(構造適判)とは
構造計算適合性判定とは、高度な構造計算を要する建築物等、一定規模以上の建築物に対して必要となる申請です。
実務では「適判」や「構造適判」等と呼ばれます。
都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関(適判機関)に図書を提出し、審査を受ける必要があります。
この制度が始まったきっかけは、2006年の耐震偽装事件でした。
それを受けて、平成19年6月20日からこの制度が施行されています。
実務上、都道府県知事ではなく適判機関に申請するのが大半となっています。
確認申請先とは別の独立した専門知識を持つ機関によるダブルチェックを行うことで、建物の構造安全性を確保させるという狙いがあります。
建築基準法第6条の3に規定されています。
建築基準法第6条の3
建築主は、第6条第1項の場合において、申請に係る建築物の計画が第20条第1項第2号若しくは第3号に定める基準(同項第2号イ又は第3号イの政令で定める基準に従つた構造計算で、同項第2号イに規定する方法若しくはプログラムによるもの又は同項第3号イに規定するプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。以下「特定構造計算基準」という。)又は第3条第2項(第86条の9第1項において準用する場合を含む。)の規定により第20条の規定の適用を受けない建築物について第86条の7第1項の政令で定める範囲内において増築若しくは改築をする場合における同項の政令で定める基準(特定構造計算基準に相当する基準として政令で定めるものに限る。以下「特定増改築構造計算基準」という。)に適合するかどうかの確認審査(第6条第4項に規定する審査又は前条第1項の規定による確認のための審査をいう。以下この項において同じ。)を要するものであるときは、構造計算適合性判定(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの判定をいう。以下同じ。)の申請書を提出して都道府県知事の構造計算適合性判定を受けなければならない。ただし、当該建築物の計画が特定構造計算基準(第20条第1項第2号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分のうち確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)又は特定増改築構造計算基準(確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)に適合するかどうかを、構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事が第6条第4項に規定する審査をする場合又は前条第1項の規定による指定を受けた者が当該国土交通省令で定める要件を備える者である第77条の24第1項の確認検査員に前条第1項の規定による確認のための審査をさせる場合は、この限りでない。
構造適判が必要となる建物
以下の場合に構造適判が必要となります。
・ルート3(保有水平耐力計算)の構造計算を行っている建物
・ルート2(許容応力度等計算)の構造計算を行っている建物
・限界耐力計算を行っている建物
※ルート2については、ルート2主事が審査する場合は構造適判不要となります。
※大臣認定プログラムを用いている場合は、上記以外でも構造適判が必要となります。
ルート2主事については、以下の記事が参考になります。
また、確認申請書第六面において、【4】欄の「特定構造計算基準」又は「特定増改築構造計算基準」にチェックが入る建物の場合は適判が必要です。
ただし、ルート2でルート2主事が審査を行っている場合は適判不要です。

申請の流れ
以下の表のフローがおおまかな流れとなります。
・通常の確認申請と同時並行して、確認申請と同じ図書を適判機関に提出し、審査を受けます。
・審査結果送付後、各申請先に対して、補正・追加説明書を作成し、送付します。
・補正内容に問題が無ければ、適判機関から「適合判定通知書」が交付されます。副本もこのタイミングで返却されます。
・確認申請先に適合判定通知書及び副本を提出し、適判の図書との整合性確認を受けます。
この際、基本的には適判と確認の図書の内容が一致している必要があります。
・審査が完了し、図書の整合性に問題が無ければ、確認済証が交付され、工事着工となります。
先に「適合判定通知書」が交付され、その後「確認済証」が交付されます。

確認申請との審査内容の違い
確認検査機関等では、構造図と計算書の整合性等を重点的に審査します。
適判機関では、より工学的な視点で審査が行われます。
確認検査機関等でも当然モデル化や荷重の妥当性など工学的な部分についての審査は行われますが、適判機関の方がより高度な専門知識を持った機関という位置づけであるため、そのような住み分けがされています。
まとめ
今回の記事は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
