建築 建築基準法(意匠)

屋外広告物とは【確認申請との関係は?】

・屋外広告物って何?
・確認申請との関係は?

確認検査機関で審査を担当していた一級建築士/一級建築基準適合判定資格者が解説します。

屋外広告物とは

屋外広告物とは、屋外広告物法において、以下のように定義されています。

・常時又は一定の期間継続して

・屋外で

・公衆に表示されるものであって

看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう

のぼり旗、建物の壁面看板や屋上看板、電柱の広告など、屋外から見える広告物は基本的に屋外広告物に当たります。


例外パターンとして、建物の窓の内側に広告物を貼付けしている場合は、屋外広告物とみなさないケースもあります。

参考として町田市の取扱いを示します。

出典:町田市

行政によっては屋外広告物とみなすこともあるので、建設地の取扱いの確認は必須です。

屋外広告物許可について(確認申請との関係)

地方公共団体が屋外広告物法に基づき屋外広告物条例を定め、必要な規制を行うことができます。

建物を建てる時、敷地内に屋外広告物を掲出する場合、事前に屋外広告物条例に基づく許可を取得する必要があります。

ただし、地域によっては、例えば広告面積が10㎡以下の場合は許可不要といった例外なども存在したりします。

また、確認申請より前に屋外広告物許可を受ける必要がある、もしくはその逆など、行政によって取り扱いが異なるので、事前に建設地の条例を確認し、担当課との綿密な打ち合わせが必要となります。

建物の新築と合わせて許可を受ける場合、一般的な流れとしては、以下のようになります。

屋外広告物許可申請⇒建築物の確認申請⇒建築物の完了検査において、許可内容との整合性を確認

また、屋外広告物許可には1年間などの期限が定められており、継続して広告を掲示する場合は改めて許可を受ける必要があります。

その他必要な申請等

建物の屋上に骨組みを組んで広告物を掲出する場合などは、その高さが4mを超える場合は工作物としての確認申請が別途必要になります。

また、雑居ビルなど、道路に突き出している看板については、屋外広告物許可とは別に「道路占用許可」を受ける必要があるので注意が必要です。

さらに、地域によっては景観条例などに基づく許可が必要になる場合もあります。

屋外広告物条例の一例(福岡市)

例として、福岡市の屋外広告物条例をご紹介します。

以下のように、地域を区分けしています。

出典:福岡市


例えば、「都心部・空港周辺地域」であれば、以下のような基準を守って広告物を掲出する必要があります。

出典:福岡市


例外として、以下のように一部屋外広告物許可が不要となる場合があります。

自家用工作物で、広告物の面積の合計が10㎡以内のものは、許可不要となります。

テナントが多く入る建物では、テナント毎の屋外広告物面積が10㎡を超えなければ許可不要となります。

※念のため、許可の要否の判断については行政の担当課に確認しておきましょう。

出典:福岡市


まとめ

・屋外広告物の取扱いは地域によって異なるため、行政との事前相談が必須

・屋外広告物許可以外にも必要な手続きが必要な場合があるので注意


以上です。記事をお読みいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

TAK

30代前半。新卒で確認検査機関に入社し、意匠・構造の双方の確認審査業務を経験した元確認検査員。 建築基準法等に関する情報を発信。 強く、そして美しくなることを目標に、トレーニングや美容・健康管理に励む。体脂肪率は常に一桁を維持。 日焼けを避けるため、夜のランニングを好むナイトラン派。 【保有資格】 一級建築士/一級建築基準適合判定資格者/特定建築基準適合判定資格者(ルート2主事)/ 宅地建物取引士/住宅性能評価員/省エネ適合性判定員 ほか

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